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告知と放談の部屋☆ 放87「嫌がらせ電話の正体」 [趣味・カルチャー]

  

お陰様で私の角川書店での仕事は大変いい状態で進行していました。


 まさに「宇宙皇子」シリーズのスタートであった1984年(昭和59年)はハラハラする緊張のれんぞくの日々でしたが、幸いにも予想を越える売れ行きで、はじめてお付き合いすることになった角川書店との出会いも大変いい関係を築くきっかけとなりましたので、それまでかなり緊張しっぱなしであった気持ちもかなり開放されて、年越しをして直ぐに発売が予定されている作品の執筆には、嫌でも高揚する気分で書き進み、


第四巻「西街道(さいかいどう)(しの)び流し」第五巻「名もなき花々の散華(さんげ)」第六巻「一会(いちえ)に賭けた日々」と、隔月に連打していったのです。通常小説を書く作家としては、なかなか信じられない勢いです。


                     「宇宙皇子・新書4」1.jpg 「宇宙皇子・新書5」1.jpg 「宇宙皇子・新書6」1.jpg  


  もう角川書店の中で嫌な雰囲気が漂うはありません。私を囲む環境は大変いい状態になっていたのです。若い編集たちも大変気分よく作業にかかわってくれているように思えました。


 私も売れ行きが快調であったこともあって、前述しましたがその分だけものを書くという活力もみなぎってきましたし、第一作家本人がシリーズを書くことに楽しみを感じながら書けるので、このへんで休んでしまおうなどという怠惰な気持になるはずもありません。一作書ければすぐに次の作品を書こうという意欲に急かされるのです。それが嫌にならないのですから、自然に作品が考えられないほどの勢いで出版されることになるのです。


 私の作業に協力してくれる若い編集者たちからは私の励ましともなるような提案があったりして、「宇宙皇子」以外の企画についての展開につての話し合いをしたりしていたのですが、そんなある日のことです。「宇宙皇子」のシリーズを中心になって編集作業を進めてくれているS君が、原稿を取りに来たところで雑談をしている最中に、ふと漏らした話があったのです。


最近編集部へ嫌がらせの電話をかけて来るベテラン作家がいるというのです。


テレビの作品を書いている時には、まったくそのような話に出会ったことがありませんでした。特に私の主戦場であったアニメーションという分野では、それにかかわるアーテイストもさまざまな分野にわたった人々でしたから、私のように脚本を書く者に対して、何か注文を付けてくるというようなことはありませんし、まして嫌がらせの電話をかけてくるなどということなど、聞いたこともありませんでした。噂にしても同志の脚本家の中でも、個人的にそれらしいことをされて困っているというような話は聞いたこともありません。しかしそれでも作品やその作家に夢中になった読者が、飛んでない迷惑をかけることがあります。その作品を書いた人に対する思いが集中してしまうことが多いことから、時には作家の家に押しかけてきてまで、その内容に影響され過ぎて困った要求をして迫って来る読者もいましたし、現実と創作の間の微妙な空間が楽しめないまま、すべて現実のものとして受け止めてしまって、つい騒動にまで発展してしまうこともあるようです。幸い私の場合はまともに正面から文句を言ってくるような不埒な人はいませんが、今回は文句を言うのでもなく、ただ単に嫌がらせの電話をかけて来るのですが、それも正面からはねつけるようなことの出来ない、弱い立場である若い編集者にいやがらせの電話を変えてくるというのですから対処の仕方もありません。しかもそれが読者ではなく、作家として生計を立てている人だということを知って、あきれ果てました。角川書店でも何冊かは出版したこともあるのでしょうが、多分その結果が思わしないままでいるのかもしれません。出版社からはいい顔をして貰えないでいるのかもしれません。どうしようもない人ですが、それでも出版社に勤める編集者としては、相手が作家である以上いつお世話になるかもしれませんから、無碍に電話を切るわけにもいきません。適当に先方の嫌がらせを受け止めながら暫くは聞いていてやらなくてはなりません。


さぞかし嫌な時間つぶしをさせられてしまうようになっているのだということを、ついに報告してきたのです。


いつの時代でもありそうなお話です。


 あまり「宇宙皇子」の評判が良いために、妬ましくなってしまったのでしょう。時代が要求している作品を書く工夫もないまま当たり前のミステリー風な仮想現実的な大衆小説を書いている彼の図書については、まったく読者の反応が集まって来ないことから、一番いじめやすい若手の編集者に対して電話をかけてきては、彼をからかいながらその後私がどんな調子で原稿を書いているのかなどと聞いてくるというのです。出版の勢いが考えられないので、藤川桂介には影武者がいて、そいつが書いているとでも言いたいのでしょうが、はっきり言ってそんな邪推は意味のないことです。私は弟子として認めた者たちにも、決して私の書くようなものを追うようなことはせずに、自分独自の世界を開拓するように努力せよといってきているのです。私はシリーズとしての「宇宙皇子」を書き下ろしながら、時には「野性時代」への連載が始まったりしたので、その執筆がどうこなしているのかを探ろうとしたのかも知れません。あれこれと嫌味な質問をしながら、私の執筆情況を探ってくるというのです。


 これまで映像時代には、ほとんどこう言ったたぐいの電話を掛けてくるような同業者はありませんでしたから、私にとってもはじめて聞く話です。しかしテレビ作品を書いている最中では三日に一本三十分番組を書き、その決定稿を一日で仕上げてまた次の作品にかかるという過密状態でも、まったく制作現場に支障をきたすようなことをしたことがなかった私にとっては、兎に角体調が許す範囲で書きつづけていましたから、活字の世界へ移ったからと言って、そのペースを変えることもなく書こうと思った作品を書きつづけているだけで、まったくその仕事の仕方に関して特別な気持ちにはなっていなかったのです。


 いつの時代でもありそうなお話ですが、私はまだ活字の世界へ来てたまたま角川書店で仕事がやれる状態になったばかりで、現在のいいスタートの状態のまま作業ができるのかどうかということについては全くわかりません。もちろん現在の調子は確かに上々の始まりであるということは実感しています。なんとかこの状態をつづけていきたいものだと、日夜願いながら角川書店に対してはここで絶対的な信頼関係を確立しておきたいと気持ちでいっぱいでした。


 まだはっきり言ってテレビの世界での仕事からはっきり手を引いてしまうということにしたわけでもありません。テレビ界全体の不調から抜け出すために、できればこれまで多少ではあるのですが手始めに数冊の小説を書いたり、物語を書いたりしてきましたので、それを土台にしてこれまでとは違った世界にも生きる道筋を作っておきたいという気持ちで挑戦することにしたのですが、しかしそれだからといって、あくまでも取り敢えずやってみようと言うような気楽な挑戦ではありませんでした。


もう角川書店の中で嫌な雰囲気が漂うはありません。私を囲む環境は大変いい状態になっていたのです。若い編集たちも大変気分よく作業にかかわってくれているように思えました。


 私も売れ行きが快調であったこともあって、前述しましたがその分だけものを書くという活力もみなぎってきましたし、第一作家本人がシリーズを書くことに楽しみを感じながら書けるので、このへんで休んでしまおうなどという怠惰な気持になるはずもありません。一作書ければすぐに次の作品を書こうという意欲に急かされるのです。それが嫌にならないのですから、自然に作品が考えられないほどの勢いで出版されることになるのです。


 私の作業に協力してくれる若い編集者たちからは私の励ましともなるような提案があったりして、「宇宙皇子」以外の企画についての展開につての話し合いをしたりしていたのですが、そんなある日のことです。「宇宙皇子」のシリーズを中心になって編集作業を進めてくれているS君が、原稿を取りに来たところで雑談をしている最中に、ふと漏らした話があったのです。


最近編集部へ嫌がらせの電話をかけて来るベテラン作家がいるというのです。


テレビの作品を書いている時には、まったくそのような話に出会ったことがありませんでした。特に私の主戦場であったアニメーションという分野では、それにかかわるアーテイストもさまざまな分野にわたった人々でしたから、私のように脚本を書く者に対して、何か注文を付けてくるというようなことはありませんし、まして嫌がらせの電話をかけてくるなどということなど、聞いたこともありませんでした。噂にしても同志の脚本家の中でも、個人的にそれらしいことをされて困っているというような話は聞いたこともありません。しかしそれでも作品やその作家に夢中になった読者が、飛んでない迷惑をかけることがあります。その作品を書いた人に対する思いが集中してしまうことが多いことから、時には作家の家に押しかけてきてまで、その内容に影響され過ぎて困った要求をして迫って来る読者もいましたし、現実と創作の間の微妙な空間が楽しめないまま、すべて現実のものとして受け止めてしまって、つい騒動にまで発展してしまうこともあるようです。幸い私の場合はまともに正面から文句を言ってくるような不埒な人はいませんが、今回は文句を言うのでもなく、ただ単に嫌がらせの電話をかけて来るのですが、それも正面からはねつけるようなことの出来ない、弱い立場である若い編集者にいやがらせの電話を変えてくるというのですから対処の仕方もありません。しかもそれが読者ではなく、作家として生計を立てている人だということを知って、あきれ果てました。角川書店でも何冊かは出版したこともあるのでしょうが、多分その結果が思わしないままでいるのかもしれません。出版社からはいい顔をして貰えないでいるのかもしれません。どうしようもない人ですが、それでも出版社に勤める編集者としては、相手が作家である以上いつお世話になるかもしれませんから、無碍に電話を切るわけにもいきません。適当に先方の嫌がらせを受け止めながら暫くは聞いていてやらなくてはなりません。


さぞかし嫌な時間つぶしをさせられてしまうようになっているのだということを、ついに報告してきたのです。


いつの時代でもありそうなお話です。


 あまり「宇宙皇子」の評判が良いために、妬ましくなってしまったのでしょう。時代が要求している作品を書く工夫もないまま当たり前のミステリー風な仮想現実的な大衆小説を書いている彼の図書については、まったく読者の反応が集まって来ないことから、一番いじめやすい若手の編集者に対して電話をかけてきては、彼をからかいながらその後私がどんな調子で原稿を書いているのかなどと聞いてくるというのです。出版の勢いが考えられないので、藤川桂介には影武者がいて、そいつが書いているとでも言いたいのでしょうが、はっきり言ってそんな邪推は意味のないことです。私は弟子として認めた者たちにも、決して私の書くようなものを追うようなことはせずに、自分独自の世界を開拓するように努力せよといってきているのです。私はシリーズとしての「宇宙皇子」を書き下ろしながら、時には「野性時代」への連載が始まったりしたので、その執筆がどうこなしているのかを探ろうとしたのかも知れません。あれこれと嫌味な質問をしながら、私の執筆情況を探ってくるというのです。


 これまで映像時代には、ほとんどこう言ったたぐいの電話を掛けてくるような同業者はありませんでしたから、私にとってもはじめて聞く話です。しかしテレビ作品を書いている最中では三日に一本三十分番組を書き、その決定稿を一日で仕上げてまた次の作品にかかるという過密状態でも、まったく制作現場に支障をきたすようなことをしたことがなかった私にとっては、兎に角体調が許す範囲で書きつづけていましたから、活字の世界へ移ったからと言って、そのペースを変えることもなく書こうと思った作品を書きつづけているだけで、まったくその仕事の仕方に関して特別な気持ちにはなっていなかったのです。


 いつの時代でもありそうなお話ですが、私はまだ活字の世界へ来てたまたま角川書店で仕事がやれる状態になったばかりで、現在のいいスタートの状態のまま作業ができるのかどうかということについては全くわかりません。もちろん現在の調子は確かに上々の始まりであるということは実感しています。なんとかこの状態をつづけていきたいものだと、日夜願いながら角川書店に対してはここで絶対的な信頼関係を確立しておきたいと気持ちでいっぱいでした。


 まだはっきり言ってテレビの世界での仕事からはっきり手を引いてしまうということにしたわけでもありません。テレビ界全体の不調から抜け出すために、できればこれまで多少ではあるのですが手始めに数冊の小説を書いたり、物語を書いたりしてきましたので、それを土台にしてこれまでとは違った世界にも生きる道筋を作っておきたいという気持ちで挑戦することにしたのですが、しかしそれだからといって、あくまでも取り敢えずやってみようと言うような気楽な挑戦ではありませんでした。


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