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告知と放談の部屋☆ 放88「古谷徹さんの純情」 [趣味・カルチャー]

 

これはパーテイの後で上映された時の話ではありません。いよいよ映画「童話めいた戦史 ウインダリア」の公開試写が劇場で行われた時のことです。


 若い女性たちの間で、「約束」を守らなくなっているということが社会的な問題でではないかと話題となっていたことがあったのですが、私はそんな社会状況に一矢報いようとして、アニメーションで若い人たちに問題提起がしたかったのです。最近時代を一巡りして現代でも、同じような問題がマスコミの話題になったことがありました。その人の都合が優先されるという現代的な処理がされるようですが、あなたは約束事を勝手に破られた時、どんな思いになるでしょうか。


そこでもう一度拙作の映画の原典となった、「雨月物語」とそれからヒントを得て書かれた映画の「童話めいた戦史 ウインダリア」話を簡単に紹介しておきます。


          「雨月物語・上田秋成集」1.jpg 「雨月物語・本文」1.jpg


この場合は戦国時代の話なのですが、貧しいながらも仲良く暮らしている農家の若い夫婦なのですが、ある日近くで起こった戦乱がきっかけとなって、若い夫はその戦に加わって功績をあげれば出世して武将にでもなれば、これまでの暮らしとは大替わりして姫君として暮らすことができると・・・。勿論、妻はそんな夢のような話には乗りません。これまで通りに農産物を作って市場へ売りに行って稼ぐわずかな稼ぎで暮らせばいいではないかと窘めるのですが、一度夢を見た青年は野心に燃えて旅立つといって聞きません。若い妻はその時、たとえどんなことがあってもあなたが戻ってくるまでは待っていますというしかありませんでした。


              「ウインダリア設定」1.jpg


この日を境にして貧しい農村で残って夫の帰りを待つ若妻マーリンと、野心に燃えて武将になることを夢みる若者イズーの、それぞれの劇的な日々が始まるのです。


 言うまでもなく何年かの間に二人の運命には大きな変化が刻まれます。


 イズーは戦乱の片方の軍に加わって、出世に出世を重ねて、ついにはその軍の総指揮官ともなるのですが、その頂点に達したところで裏切りに合ってたちまち運命は頂点から突き落とされるように逆転されて、やっとのことで生き延びながらあの愛する妻マーリンの待っている、貧しい村へ戻ろうとするのです。


すでに村は戦乱で荒らされてしまったのか、すっかり昔の姿を失ってしまっていました。これではあの愛するマーリンもとても無事ではいられないだろうと、絶望になりながらやっとのことで村はずれまでやって来ると、イズーの目に飛び込んできたのは、一軒の貧しい農家です。そこからはぽつんと明りさえも漏れています。


大分姿は荒れ果ててはいるのですが、どう見ても我が家ではないか、戦乱に巻き込まれて村はほとんど荒廃してしまっていましたが、


(わずかに我が家は残っている)


イズーは絶望的になっていた気持ちを希望に変えて近づいていきます。


 やがて家に近づいてその小窓から覗くと、何とあの愛するマーリンがいるではありませんか。思わず「マーリン」と叫ぶと入口へ向かうのです。そこへ跳び出して来たのは若妻マーリンでした。二人の若者は、やっとのことで数年ぶりに抱き合ったのでした。


 マーリンは疲れはてて返ってきたイズーを抱えながら、暖炉の火の方話へ連れてくるのです。


 イズーはこれまで野望を夢見て出て行ったけれども、結局その夢は手に入れられた途端に裏切られることになり、追われ追われて生きるか死ぬかの瀬戸際でやっと必死で戻ってきたのだと訴えるのです。ところがそこへ駆けつけてきたのはやっと生き残ってきた村人でした。彼らは誰もいない暖炉の前で、必死で姿のないマーリンに向って謝罪するイズーに呼びかけます。


 「お前は誰に話をしているのか!?」


 はじめて正気に戻ったイズーはそこにはマーリンの姿などないことに気が付くのです。


 村人は呆然とする彼に、マーリンは戦乱の中で非業の死を遂げてしまったというのです。間もなく死霊を集めにくる幽霊船がやって来るといいます。


 イズーの帰りを必ず待っているという約束を果たしたマーリンは、死霊となっても彼を待ちつづけていたのです。


 やがてイズーとの約束を果たしたマーリンの死霊は迎えの幽霊船に向って走っていきます。それを必死で追うイズーの叫び日は悲痛です。


 「マーリン!!」


 約束を守ってイズーの帰りを待ちつづけてくれていた、あまりにもけなげなマーリンの思いは、いつまでもいつまでも幽霊船を見送る村人の心に残りつづけるのでした。


 この悲劇を味わった若者のイズーを演じてくれたのが、声優の古谷徹さんです。


 今回そのことをお知らせしたかったのは、映画が公開された時に観客と共に鑑賞して下さったから絵は、試写が終わって劇場の支配人室へ引き上げてきた途端に、そこにはスタッフ、事務室の人々がいるのもかまわずに、大泣きを始めたのです。


 一体何があったのでしょう。


 きっと映画で描かれた、死んでも彼との約束を守ろうとしたマーリンの思いと約束を破って野望に挑んだイズーの姿が、何か古谷さんの実体験の何かを揺さぶったのかもしれません。


 その場にいた私はもちろんのことほとんどの人は、事務机に泣き伏して思いきり泣いている彼を、誰も止めようともせずに、気持ちの治まるのを静かに見守ったのでした。


今でもその時のことを思い出すたびに、彼の優しさ、純な気持ちを思い出して、懐かしく思う今日この頃です。現代でも約束を守らないで平気でいる人がいるということが、マスコミで取り上げられるほどになっていますが、もう一度あの映画のことを思い出して頂きたいと思います。


 制作配給・あいどる カメプロダクション 


 プロデユウサー・長尾聰浩


 原作脚本・藤川桂介


監督・湯山邦彦 演出助手・政木伸一


作画監督キャラ設定・いのまたむつみ 美術監督・勝又激 音響監督・松浦典良 音楽・門倉聰


出演・古谷徹・神田和佳・井上和彦・松井菜桜子・高島雅羅・柴田秀勝・永井一郎・岩本紀昭・斎藤晶・吉田理保子・矢尾一樹


「童話めいた戦史 ウインダリア」


 もう一度アピールしておきたいと思います。


 


 大事なスタッフが沢山いますが、今回は残念ですが割愛させて頂くとにいたしました。


 


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