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「落ち穂ひろい 22」汗顔の至りです [趣味・カルチャー]

 

若い頃から、あまりみっともない失敗はしないできた私ですが、今になっても思いだす大失敗をしたことがあります。


「エースを狙え!」という、テニスを扱った人気漫画をアンメーション番組にするというので、私を中心にして男女一人づつ仲間の脚本家に参加することになり、作業をし始めたのですが、兎に角漫画としても大変人気がある作品であったこともあって、テレビとしても大変な人気番組になりました。


 普通はそれぞれ文芸部から発注があってから脚本を書く野ですから、それぞれバラバラに話しを書いて行くのですが、暫く番組が好評に進んで行く要になったところで、脚本家はもちろん番組を制作するスタッフ・・・特に脚本家と縁の深い文芸部をしきるスタッフと、いつもバラバラで仕事をしている脚本家が、番組の評価もいいということがわかったこともあって、たまには一緒に飲食を共にして気晴らしの開出もしましょうという誘いがあって、文芸部の代表スタッフと私の他に男女二名の脚本家で、新宿の某所で大変気持ちのいい宴会をしたことがありました。それぞれお酒も飲んで、大変いい気分になっていましたが、そのうちに女性脚本家が私に飲み比べをしましょうと誘ってきたのです。私も大分いい気分になっていたのでしょう。日本酒を冷やでコップに注いで、飲み比べをしようということになってしまったのでした。


当時は若かったこともあるのですが、普通はコップで三杯ぐらいでゆっくりと飲めたのですが、その日は、番組が好評という事もあって、みなかなり盛り上がっていたこともありましたので、私も限度の三杯を超えて更に二杯も飲んでしまった私は、それから間もなく次へ行こうというスタッフの誘いに乗って、お店を出た途端に目が回ってしまって、立ってもいられなくなってしまって、道路に倒れてしまったのでした。


「藤川さん、お芝居しないでよ。立ちなさい」


女性脚本家に発破をかけられてしまいました。もう言い訳をすることさえも出来ません。目が回ってしまって、兎に角立ち上がることも出来ません。ついにスタッフに付き添われて帰宅することになってしまったのでした。勝手口から我が家へ飛び込んだのですが、そのままばったりと倒れてしまったのでした。


びっくりしたのは、娘たちでした。


普段はまったくこのような醜態を見せることはない父親の姿を見て、びっくりしてしまったようでした。


 言うまでもなくよく翌日は、無茶に飲み比べなどしてしまったことを反省するばかりでした。それにしても、あとで聞いたところ、彼女は大変な酒豪であったようで、下手に勝負を挑んだ私の大失敗でした。調子に乗りすぎた珍しい大失敗でした。以後、こうした酒の上での失敗は、全くなくなりましたが、最近はビールをコップ一杯で可愛い良い方をしているところです。


 


         藤川桂介


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