「落ち穂ひろい 14」 運転免許返納のこと [趣味・カルチャー]
連休が来ました。
お出かけになられる方も多いと思いますが、きっとあちこちで事故のニュースが出るでしょうね。その度に思いだす事があるのです。
新聞・テレビの報道で、高齢者の自動車事故がかなり頻繁に報道されると、運転免許証を早く返納してしまった私は、大変複雑な気持ちになるのです。
人それぞれに住んでいるところでの自動車事故についての問題については、一律には言いにくい問題があるのですが、想い出すのは、運転免許証の返納を決断した時のことを、改めて想い出します。
現役であった頃は、自動車は不可欠でしたから、盛んに使いましたし、気休めにも充分に使うという自動車好きであったのですが、運転免許証の返納のために出向いた世田谷警察署では、担当の女性警官から、「よく決心なさいましたね」と言われるほど、まだ返納はもったいないと言われる状態でしたし、私自身もうちょっとは運転を楽しみたいとも思っていたのですが、仕事にけじめをつけたこともあって決心したのです。八十歳前後の事でしたが、その時はきっぱりと決断したつもりだったのですが、その後日常生活の中で、如何に自動車が使われてきたかということを知る機会が、様々な機会に起こりました。来客があった時、前は近くの駅まで送りますよと言ってハンドルを握った利、日常生活の中でも一寸買い物に行こうか、一寸遊びにいこうかと、「ちょっと」という時に利用してきていたのですが、免許証の返納をしてから暫くすると、つい自動車があったら、「ちょっと」済ませることが出来たのにと、ぼやいてしまうようになったのですが、それから暫くした頃から、テレビ、新聞などで高齢者による交通事故のニュースが、さかんに報道されるようになりました。
その度に、やっぱり早めに決心して返納したことは、正解であったと思えるようになリましたし、事故を起こした高齢者の姿を見るにつけて、どうして決心できなかったのだろうかと思ったりしているのです。事故後の家族の話が報道されることになると、なおさら決断のしどころを失った結果であったなと思うことしばしばです。
卒寿の年を過ぎて、やっと車社会から縁が切れた思いを書くことにいたしました。
今はバスと電車で移動をしていますが、ゆっくり生活を満喫出来るようになりましたので、ある程度高齢に達した方は、是非思い切って運転免許証の返納を決断出来る人になってほしいと、説にお祈りする次第です。
藤川桂介