「秋の七草ご存じですか?」


 


 「春の七草は知っていますか?」


 正月七日に食べる年中行事ですから、かなりの人は知っているでしょう。若菜を粥に入れて食べますね。


 きっとセリ、ツツジ、ハコベ、ゴギョウ、ホトケノザ、スズナ、スズシロとすらすらと暗誦できるでしょう。


 それではここで


「秋の七草は御存知ですか」


 と窺ったら、果たして何人ぐらいの方が応えられるでしょうか。


きっと少ないでしょう。


実は私もすぐには答えられなくて困りました。


 調べたところ、ハギ、オバナ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、アサガオ、時にはアサガオでなくて、キキョウを上げる人もいるのが普通のようですね。


しかしどうして秋の七草はこうも認知度が低いのでしょう。


それは簡単です。


「秋の七草」というのは、食用ではなく鑑賞用の草花だからでした。


矢張り秋は何といっても、食欲の秋といわれるくらいですから、どうしてもクリ、カキ、ヤマイモ、ヤマブドウ、キノコ、ギンナン、アケビ、マツタケなどと言うものがあげられます。


それにしても観賞用の「秋の七草」の中に、リンドウが入れられていないのはどうしてなのでしょう。


可憐な花だと思うのですがね。


兎に角食べる方に興味が先走って、どうも鑑賞までには興味が移りませんでした。そろそろ熟年のみなさんは、目の肥やしになるものに興味を持ってもいいかも知れませんね。