「むかしの鶏」


 最近聞えなくなったものの一つは、何といっても代表は犬の遠吠えでしょう。昔は夜などに、町のあちこちから犬の遠吠えが聞こえていたものですが最近はほとんど聞かなくなってしまいました。犬がそれぞれ交信する機会であったのではないかと思うのですが、夜になってあっちこっちから犬に吠えられては、うるさくてたまらないという人が出てきてもおかしくはありません。そんな訴えでも多くなったのがきっかけになったのかもしれませんが、最近は静かな夜を過ごしているのですが、考えてみると昔よく聞いたもので最近聞かない声問えば、鶏の声です。夜明けと共に結構町のあちこちから、コケコッコーという声が聞こえた者でした。最近は都会地の一般の住宅で鶏を飼うという人はいない所為か、ほとんど聞いたことがありません。


 これは雑談になるのですが、昔はコケコッコーと子越えていたはずなのですが、本によってはカカカッカーと鳴いていたというのです。


 カケが鶏のことだというのです。「庭つ鳥かけは鳴く」などと言っていたというのです。


庭で飼う鳥として、もともとカケと呼ばれていたのが鶏であったというおはなしです。一頃からか庭つ鳥が濁って、鶏となったということです。