「ビヤホール誕生」


 夏になると直ぐに思い出すのはビヤホールです。


 仕事の帰りはいうにおよばず、一寸立ち寄りたくなってしまいたくなるところです。しかしこうしたビヤホールが日本に誕生したのは、いつ頃だったのだろうかと調べてみる気になりました。


実は明治32年8月4日に、ビヤホールが誕生したという広告が出たようです。


「今般欧米の風に倣い、8月4日改正条約実施の吉辰を卜し、京橋区南金六丁目五番地(新橋際)においてビール店BEER HALLを開店し、常に新鮮なる樽ビールを氷室に貯蔵致置、最も高尚優美に一杯売仕候間大方諸彦賑々しく御光来、恵比寿ビールの真味を御賞玩あらんことを願う。売価半リーテル 金拾銭 四半リーテル 金五銭 日本麦酒株式会社」


こんな広告です。


まだこの頃、ビヤホールという名前がありませんでしたから、会社ではかなり迷ったようです。そんな苦心の末についに誕生したのがビヤホールという和製英語だったということです。この年には資生堂からは、はじめてアイスクリームが発売されたということもあったようで、どちらも夏では忘れることの出来ない、飲食の代表と言っていいのではないでしょうか。不快指数80を超えると厚さから逃れるために、ビールやアイスクリームが特別な嗜好品になるようで、それは現代でも充分に通用する話ですね。