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☆閑談とちょっと気になる新言霊の部屋☆ 言33 [趣味・カルチャー]

「須佐能尊」

  須佐能尊(すさのうのみこと)に関しては、様々な調査研究があって、それこそ様々な話が伝えられています。その分だけこれが最も正しいということも言い難いのですが、日本の歴史資料である「古事記」「日本書記」という代表的な史書でも、すべてが間違いないかどうかというと、須佐能尊の略歴を書くにも大変困難が伴ってしまいます。

  私はこれまで彼が記録した足跡を整理しながら、おおむねこのような方であろうと思って、その足跡をまとめてみました。

  天照大神に対する非礼な行為があったということで、天上界から追放されることになってしまうのですが、その時から須佐能尊はかなり破格の性格をお持ちの神であったようです。彼が追放されて去っていくのに合わせて雨が降ったり、風が吹いたりして、水霊神としての奉仕をしたり、やがてやって来た出雲の八岐大蛇(やまたのおろち)を退治して、クシナダヒメを娶って宮づくりをしたり、「八雲立つ・・・」という祝婚歌を歌っての豊穣神としての働きを示したりしていきます。しかしこんな働きの中でも一寸変わっているのは、備後風土紀に書かれる蘇民将来(そみんしょうらい)の主人公である武闘神は・・・客人(まれびろ)神の須佐能尊だと名乗っていたようで、どうも異国の神めいた客人神のような性格を持っていらっしゃったところもあるようです。

  実に複雑で、農神、疫神として新興する者も多く、この神を祀る祭事は大体夏祭りを主にしますが、あの京都の八坂の牛頭天王(ごずてんのう)発祥は韓国の神で、疫病を封じる力のあるなのですが、それも須佐能尊であるとも言われているのです。天王(祇園(ぎおん))系の祭りの中心は疫神送り、御霊信仰によるものです。そして夏祭りは春・秋の祭り(氏神)系の祭りとは違って、山車・鉾・風流ものなど派手な祭りであるのが特徴です。

  貴族の祭りである葵祭に対して、疫病を封じる祭りである祇園祭はそれを願う庶民の祭りとして、今でも盛んに行われていますね。その神は何と須佐能尊なのです。

興味深い神ですね。


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